阪急のヘッドマーク

3100系引退記念ヘッドマーク

 神戸線と宝塚線の架線電圧を600Vから1500Vに昇圧するにあたって,一晩で一斉に車両の回路を切換える必要がありましたが, 床下のスイッチで容易に切換ができるようにしたのが3000系と3100系です。

 そのうち,3100系は運転速度が低い宝塚線向けに主電動機や駆動装置ギヤ比が設計されて1964年に登場した車両で,宝塚本線では最終的に8両編成で活躍してきました。

 新系列車両が投入されると,種別行先表示が運行標識板での表示のまま残っていた車両から順次4両編成または6両編成となって箕面線や伊丹線,今津線に活躍の場が変わります。

 さらに新世代の車両が登場,増備されると,運行標識板車が同系列の表示幕化改造車に置き換えられて順次引退,さらに表示幕化改造車も後継車に置き換えられていきます。

 3100系で最後まで編成として残っていたのは,最初に新製された車両で組成されて伊丹線で運用されていた4両編成(3150-3600-3651-3101)でしたが, 2016年7月に引退することになりました。

 引退を間近に控えた2016年6月17日から7月8日まで, かつての準急の運行標識板を模して,3150号車に「おつかれさま3100」,3101号車に「惜別3100」と記されたヘッドマークが掲出され,最後を飾りました。

惜別3100ヘッドマークを掲出している3150×4R 惜別3100ヘッドマーク
おつかれさま3100ヘッドマークを掲出している3101×4 おつかれさま3100ヘッドマーク
2016/07/08 記

2300系引退記念ヘッドマーク

 2300系は当時としては最新技術であった回生ブレーキ付きの定速制御を装備して1960年に登場,2000系・2100系とともに「オートカー」と呼ばれ, 鉄道友の会の第1回ローレル賞を受賞しています。 その後長く続いた阪急スタイルの基となる車両でもあります。

 9300系の増備に伴い2300系も廃車が始まり, 2005年にトップナンバーを含む2301-2351+2302-2352の編成が引退する際に勇退記念ヘッドマーク掲出などのさよならイベントが実施されています。

2301×4R勇退記念ヘッドマークを掲出している2300系2301×4R

 その後も9300系および1300系の増備に伴い2300系も次々に廃車となり,2015年3月20日に通常運用を終了,2015年3月22日の貸切イベント列車がラストランとなります。

 引退までの最後の1ヶ月間(2015年2月20日〜3月20日),2300系定期運行最終日まで運用される2313×7Rの現コーポレートマークを撤去し,旧社章をステッカーで復元するとともに, 前後で異なる記念ヘッドマークを掲出した姿で通常運用されています。

惜別2300ヘッドマークを掲出している2313×7R 惜別2300ヘッドマーク
さよなら2300ヘッドマークを掲出している2372×7R さよなら2300ヘッドマーク

 晩年は短編成化されて支線で運用される車両が多い中,準急など通過列車を含む定期列車で最後まで本線を運用されたのは珍しいことです。

 なお,2301-2352の2両は営業運用には就かないものの引き続き在籍しています。

2015/03/03 記

6300系特急運用引退記念ヘッドマーク

 6300系は1975年に京都線に登場し,おもに特急として活躍してきました。 特別料金不要でありながら2ドア転換クロスシートの快適なアコモデーションを備え,鉄道友の会のブルーリボン賞を受賞しています。

 しかしながら近年は特急の停車駅が大幅に増えたため6300系は2ドアがネックとなり, 2008年から2010年にかけて3ドア転換クロスシートの9300系に置き換えられ,6300系は特急運用から引退することになりました。

 2010年1月8日を最後に6300系はいったん特急運用から退きましたが,2010年2月21日から28日まで引退記念運行として特定の特急運用に6350×8Rが復帰, 2月24日から最終日の2月28日までは引退記念ヘッドマークを掲出して最後の特急運用を飾りました。

引退記念ヘッドマークを掲出した6300系6350×8R 引退記念ヘッドマーク

 なお,6300系のうち6351×8R〜6353×8Rの3編成が4両編成に短縮の上リニューアル,扉付近をロングシート化,クロスシートも1列+2列にする改造などを施されて 2009年4月2日から嵐山線で運用されています。 また,6354×8Rが6両編成に短縮の上,「和」と「モダン」をコンセプトに内装・外装ともに改装され,おもに休日ダイヤにおいて「京とれいん」として快速特急などで運用されています。 6350×8Rも6両編成に短縮された状態で引き続き在籍しています。

2010/02/28 記,2014/10/13 追記

2010/02/28 開設
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