検証! 2001年粟生線の直通運転化

 現在の粟生線では志染付近を境に利用状況に差があるため, ラッシュ時は志染で2両増結(朝)・解放(夕)しており粟生方面から新開地への直通客の利便を確保しているが,昼間は直通する乗客数がそれほど多くないため, ラッシュ時以外は 新開地〜志染 折り返し列車と 志染〜粟生(一部は三木) 折り返し列車が志染で相互接続する形の運行形態となっている。 これは, 新開地〜志染 を4〜5両編成で, 志染〜粟生 を3両編成で運転するためである。

 ところが, 神戸電鉄ホームページの2000年6月粟生線ダイヤ改正を発表するニュースリリース の中で,次の内容の発表もあった。

  1. 2001年度に,志染駅での乗り換えを解消するため,新開地〜粟生 の直通運転を実施する。
  2. 直通運転の実施に向けての車両改造を行うため,2000年7月から,新開地〜志染 折り返し列車の一部を5両編成から4両編成に変更する。

 現在でもラッシュ時には志染において増結・開放することで直通運転を行っていることから,上記で言う直通運転実施はラッシュ時以外のことと思われる。 上記第1項の直通運転について考えられる方策とそれについての疑問点ををあげると・・・

  1. 新開地〜志染 も3両編成として,新開地〜粟生 を3両編成で直通運転とする。
  2. 新開地〜志染 も3両編成を基本として 新開地〜粟生 を3両編成で直通運転と,必要に応じてラッシュ時以外も志染にて増結・解放を行う。
  3. 恵比須〜粟生 の各駅も4両対応とし,新開地〜粟生 を4両編成で直通運転とする。

 以上の検証からは いずれの方策で直通運転を行うか,決定的なものはわからない。 車両の改造の動きからだけを考えると可能性の高い4両編成で直通運転をする場合についてさらに検討する。

 現状,恵比須〜粟生 全駅のホーム長は3両編成分しかない。 4両編成にした場合,単なる棒線駅では最悪でも1両のドアを閉めきりにすることで対応は可能である。 しかし,行き違いを行う駅(三木,樫山,小野)は少なくとも4両編成が入線できる長さがなければ行き違いができなくなる。 ここで,これらの駅について4両編成への対応が可能か検証してみる。

 現在,3両までしか対応していない区間の配線は次のようになっている。

粟生線で3両編成しか入線できない区間

三木 樫山 樫山 小野 小野
粟生線で3両編成しか入線できない区間の配線図
配線図の紺色矢印は,下記の各駅の様子の写真を撮影した方向を示します。
また,配線図上の行き違いが可能な駅部分をクリックすると,各駅の様子へジャンプします。
写真はずべて2000年7月2日撮影。

三木

 有効長は3両分しかなく,両側を踏切に挟まれている。また,東側に留置線があるが両側を民家に囲まれており,ホームを設置するのも困難と思われる。 3駅の中では最も有効長の延長が困難な駅である。

三木-1・・・三木駅東側
3連時代の三木駅東側
三木-2・・・三木駅東側
3連時代の三木駅東側
三木-3・・・三木駅西側
3連時代の三木駅西側
粟生線で3両編成しか入線できない区間の配線図へ戻る

樫山

 有効長は3両分であるが,両側の踏切までにはスペースがあり(ただし,土地の所有者は神鉄とは限らない。), ポイントの移設により有効長の延長は不可能ではないように思われる。

樫山-1・・・樫山駅東側
3連時代の樫山駅東側
樫山-2・・・樫山駅西側
3連時代の樫山駅東側
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小野

 現状でも4両長近くのホームがあり,ポイントの移設をすることなく4両編成対応にすることは可能であるように思われる。

小野-1・・・小野駅東側
3連時代の小野駅東側
小野-2・・・小野駅西側
3連時代の小野駅東側
粟生線で3両編成しか入線できない区間の配線図へ戻る

 以上のように,最近の車両の動きと3両編成限定区間の現状をあわせて検証してみた限りでは,どのような形で直通運転しようとしているのかわからない。 いずれにしても車両などに大きな動きがあることは確実であるので,まめに観察していきたいと思う。

2000/07/22

 結局,各駅のホームを延伸,一部の駅ではポイントの移設,構内踏切の廃止などが行われ, 2001年6月23日に行われたダイヤ改正からは4両編成による 新開地〜粟生 直通運転が行われている。

2001/07/21

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