神戸電鉄の車両はほとんどが川重兵庫工場にて製作されています。また大規模な改造も同工場まで運ばれて施工されることがあります。 新製・改造された車両は鈴蘭台工場まで運ばれて営業投入に向けて整備されますが,鈴蘭台へは道路事情などから直接搬入することができません。
以前は国鉄の甲種鉄道車両輸送で,国鉄と神鉄がレールでつながっていた福知山線三田まで機関車で牽引, 三田で神鉄線に入れ換えられて鈴蘭台まで神鉄車両(おそらく電気機関車)にて牽引されたとのことです。
しかし,国鉄がコンテナを中心とした拠点間のみの貨物輸送に限定されてからはトレーラで粟生線市場まで陸送されたうえで組み立てられ, 電気機関車または電車で鈴蘭台まで牽引されています。
2001年には有馬口〜有馬温泉の区間折り返し列車がワンマン化されるのに伴い, 1150形と1100形あわせて4編成が川重兵庫工場にてワンマン運転対応などの改造が施工され,市場経由で搬出・搬入されました。
ここでは市場での車両搬入の様子をご紹介します。 なお,2回に分けての取材であるため,途中から写真の車両が異なることをご了承願います。
深夜に川重兵庫工場からトレーラーで粟生線市場駅前の車両搬入基地まで陸送。そのままの状態で朝まで待機。
トラックで別に運ばれてきた台車をクレーンで吊り上げて線路上に置きます。
まずはトレーラに載せられたまま,車体を線路の真上に位置を合わせ,車体の前後に台車を並べます。
そして車体の端をジャッキアップして陸送用タイヤをはずし,先ほど並べた台車を車体の下まで線路上を人力で押し,その台車の上へ車体を徐々に下ろしていきます。
前後両方の台車に車体をはめ込んだ後,配線等の接続を行って作業終了です。
深夜に1370形などの2連が迎えに来て,鈴蘭台まで牽引されていきます。