207系

207系

207系(概要)

207系 編成パターン

207系 履歴

2001/04/21
最終更新2005/02/11

概要

 JR西日本の207系は片福連絡線(JR東西線)開業に備えて新製された通勤形車両で,0番代,1000番代,2000番代の3種類がある。 いずれも通勤形では初めて,近郊形のように車体幅が広く,裾が絞られた断面となっている。
 側面扉間の窓は大型固定1枚窓となり,停電時の換気量を確保するために連結面の片側の窓を拡幅,そのため貫通路が中心から偏った位置にある。
 制御装置はいずれも1M2Tで走行可能な性能を持つVVVF制御であるが各番代ごとにシステム構成が異なっている。 ただし各番代車間の併結は可能であり,実際の運用でもとくに区別されていない。

 他に国鉄時代の1986年に新製されJR東日本に引き継がれた207系900番代1編成10両が存在する。 同じステンレス製VVVF制御車であるもののスタイルおよび制御システムなどは異なっており,同系式であるが直接的には関係ないものであると考えてよい。

0番代

 1991年1月に新製されたJR西日本で初めてのVVVF制御車である。 当時の一般的な鉄道車両のVVVF制御は主回路素子がGTOであったが,207系0番代ではGTOチョッパ+パワートランジスタVVVFインバータとされた。 モハ207-0番代にパンタグラフ,VVVF,SIVとコンプレッサを設置しており,編成中にモハ207-0番代が1両あれば走行できる構成になっている。 モハ206-0番代にはVVVFのみが搭載されている。

 第1編成は3M4Tの7両固定編成で新製され,現在も変更されていない。 第1編成の特徴として,側面の扉の窓があたかも片開き1枚扉のように見える形状になっていることであったが,2001年4月に一般的な形状に変更されてしまった。 また,他編成は最終的に全先頭車に電気連結器が設置されているが,第1編成のみは7両固定で増結解放作業がないため電気連結器は取り付けられていない。

 第2編成以降は4両編成または3両編成で増備された。 3両編成の両先頭車および4両編成の下り方先頭車は100番代とされて電気連結器を設置し,増結解放作業の迅速化を図っている。 1993年増備分から4両編成も両先頭車が100番代になり, さらにJR東西線乗り入れ対応時に第1編成以外の0番代先頭車もすべて電気連結器が設置され,0番代と100番代の差異はなくなっている。

 なお,JR東西線乗り入れ対応のため1000番代も交えた大規模な編成替えが行われた際に, 0番代のみの3両編成にモハ207-1500番代が増結されてすべて4両編成となっている。 これは1000番代のVVVFが1C1M×4の構成となっていて冗長性が高く, M車が1両しかない3両編成の冗長性を高めるために3両編成はすべて1000番代とすることになったためと思われる。 モハ207-1500番代と連結するモハ207-0番代は車番が+500されてモハ207-500番代となっている。

 パンタグラフはモハ207-0番代に2台搭載されており,当初は常時2台とも使用していた。 しかし,JR東西線乗り入れ対応以降,地上線では下り方のパンタグラフ1台のみを使用, JR東西線内のみで2台のパンタグラフを使用しており, 尼崎および京橋で上り方のパンタグラフを上昇または下降させている。

 なお,2003年夏から11月にかけて全車にヨーダンパが設置されている。

1000番代

 1994年以降に増備された207系は1000番代となった。 車体の基本的な構造は0番代と同様であるが,モータの出力が増強されるとともに制御装置が大幅に変更されている。ただし0番代との併結は可能である。

 制御装置はGTOインバータになり,1C1M×4のシステム構成で短編成時でも高い冗長性を確保している。 また,新たにクモハ207をつくり,先頭車をM車とすることにより編成組成の自由度を増している。 ただし,VVVFのシステム構成の変更によりコンプレッサがモハ207-1000番代およびクモハ207-1000番代に設置できなくなったため, クハ206-1000番代およびサハ207-1100番代に搭載されている。

 当初,1000番代は2両編成と6両編成で新造され,JR神戸・京都線で昼間6両,それ以外は8両で運用されていたが, JR東西線乗り入れ対応のため0番代も交えた大規模な編成替えが行われた。 その際にモハ207-1000番代からパンタグラフを撤去のうえ隣接するモハ207-500番代から受電できるようにするとともに, 車番+500でモハ207-1500番代として0番代の3両編成に組み込んで4両編成としている。なお,一部は1500番代で新製されている。

 パンタグラフは当初クモハ207-1000番代およびモハ207-1000番代の下り方に1台搭載されており,上り方にも設置できるよう準備工事となっていた。 JR東西線は全線地下で剛体架線であるため,離線対策として乗り入れ対応改造時に上り方にもパンタグラフが増設された。 ただし,増設後も2台のパンタグラフを上昇させるのはJR東西線内のみで, 尼崎および京橋で上り方のパンタグラフを上昇または下降させて地上線ではパンタグラフ1台で走行する。

 なお,2003年夏から11月にかけて全車にヨーダンパが設置されている。

2000番代

 2002年3月ダイヤ改正におけるJR学研都市線の輸送力増強に伴い,2002年初頭に増備された207系は2000番代となった。 207系1000番代をベースに制御装置と台車などの足回りを223系2000番代をベースにしたものとを組み合わせたイメージである。 そのため,制御装置はIGBTインバータとなり,システム構成は1C1M×4で短編成時でも高い冗長性を確保している。 なお,223系2000番代と同様,車両間転落防止幌および車椅子スペースが設置されている。

207系2000番代増備車  2003年以降,JR神戸線・JR京都線の普通快速のスピードアップを図るため, 通勤形では103系(大ミハ所属,JR宝塚線とJR京都線で使用),201系および205系が207系に置き換えられることになり,2003年6月から順次207系2000番代が増備されている。

 2003年の増備車では,ヨーダンパ設置の準備(フレームのみ取り付けでダンパそのものは未装着)と,窓ガラスが緑がかったものになったなどの変更点がある。

写真:緑がかった窓ガラスとヨーダンパ準備が特徴の2000番代増備車

 なお,2003年夏から11月にかけて,既存車も含めて全車にヨーダンパが設置されている。

2001/04/21,2002/04/21更新(2000番代追加),2003/07/27更新(2000番代増備)

強化型スカート車

 2004年春から2004年半ばにかけて,全車の前面スカートを下側に延長して強化型スカートとする改造が施工された。

スカートの変化
従来型スカート車と強化型スカート車
従来型スカートの207系 強化型スカートの207系
2004/04/17追加,2005/01/15更新

塗色デザイン変更

207系新旧塗色併結  2005年11月から2006年3月にかけて207系全車両の塗色デザインが321系と同様なものに変更されている。 変更は毎日1〜2編成のペースで編成ごとに行われ,変更期間中は新色編成と旧色編成の併結が普通に見られた。

 写真は変更期間中に新旧塗色併結で走る207系

2006/02/11追加

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