神戸市交3000系

概要

西神・山手線3000系  神戸市交通局3000系は,快速を新設した1993年7月ダイヤ改正の列車増発に対応して登場した西神・山手線用の車両である。 神戸市交所属の車両で初めてVVVF制御が導入されるとともに,車体の前面形状と塗色も一新された新形式車で,次のような特徴を持っている。

19m級アルミ車体
 神戸市営地下鉄「緑のUライン」のイメージカラーであるグリーン系をベースにして塗装されたアルミ車体である。 淡いグリーンをベースに明るいイメージとしながらも,濃いグリーンの帯とグレーの裾で引き締めている。
 車体外側の車番は神戸市電の伝統を引き継ぐ字体の切り抜き文字。先頭車の側面車番は乗務員室ドア横のUマーク上に。
 側窓は1枚下降式で,日除けはアルミプレス構造のよろい戸(阪急タイプ)。
 両開き扉が片側3ヶ所,扉開閉予告ブザーを設置。
 前面の形状と丸型ヘッドライトで,丸みを帯びたイメージとなっている。
VVVF制御(1C8M)
 GTO素子による可変電圧可変周波数(VVVF)インバータ制御で,回生ブレーキ優先遅れ込め制御のブレーキとあわせて,より一層の省エネルギー化に貢献。
 郊外区間での連続急勾配に備えて,抑速ブレーキにも対応。
車内案内表示装置
 車内の各扉上に案内表示装置を設置。路線図タイプとフリーパターンの2種類があり,交互に配置されている。
 1次車2編成(3123F,3124F)は新製時には未設置で,1994年1月から3月にかけて2編成とも改造で取り付け。2次車4編成(3125F〜3128F)は新製時から設置,
ATC/ATO装置
 ATC(自動列車制御装置)は,高周波連続誘導受信により車内信号機で信号を表示,連続速度照査により速度超過時には制限速度以下に自動的にブレーキが動作。
 ATO(自動列車運転装置)は,運転台で出発押しボタンを押すことにより,起動〜定速運転〜駅定位置停車まで自動で制御装置およびブレーキ装置を制御。
冷房装置
 集約分散型で,各車に大型2台の冷房装置が搭載されている。
 ラインフローファンも搭載されている。
運転台
 デスクタイプの運転台で,2ハンドルながら横軸前後操作式のマスコンおよびブレーキハンドル。

 新製時から前面上部両端(前面窓内側)に種別表示灯が設置され,快速運転時に点灯していた。 (1995年1月から快速は運転されてない。)

 2003年から車両間転落防止幌が順次設置されている。

編成

 1993年と1994年の2次にわたり6連が6編成新造されただけで,以降は増備されてない。

廃車

 6000系の新造が進むとともに3000系も2019年8月から概ね検査回帰切れとなる時期に廃車が進められ, 最後まで残っていた3128Fが2021年7月24日に運用を終えて3000系全車両が引退,神戸市営地下鉄の車両で初の形式消滅となった。

 なお,2021年7月25日と8月1日に名谷車両基地において,事前募集制の引退記念ツアーが催行された。

編成・車歴

3000系編成表 (←西神中央−−−新神戸−谷上→)
3100 3200 3300 3400 3500 3600
Mc2M1TT'M1'Mc2'
SIV
CP
VVVF
1C8M
VVVF
1C8M
SIV
CP
竣工廃車
3123322333233423352336231993年 1月2019年 8月
3124322433243424352436241993年 1月2019年 9月
3125322533253425352536251994年 3月2020年12月
3126322633263426352636261994年 3月2021年 2月
3127322733273427352736271994年 3月2019年12月
3128322833283428352836281994年 3月2021年 8月

2003/09/28,2021/08/08最終更新
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