1050形

本来の使用方法で1000形に連結されていた旧塗装時代の1057  列車編成両数の増加に対応して,他の1000系車両に増結するために1968年から新造されたのが1050形である。 片運転台ながら1両の中に必要な機器をすべて搭載して自力走行が可能であった。 省スペース化のため補助電源としてサイリスタインバータが採用されたが,新造車に正式にインバータが採用されたのは日本では1050形が初めてだそうである。 運転台は,偶数車が新開地向き,奇数車がその逆向きであるが、反対側の連結面にも簡易運転台が設置されている。

1050形の特徴は,

 当初,連結器は全車両の両側とも密着自動連結器で,本線上での増結・解放には使用されず,1000形・1100形・1300形などに車庫内で連結・組成されて 3〜4両で運用されていた。 連結の相手は固定されておらず,編成需給によって頻繁に編成替えされていた。

編成例 cMe cM T Mc
+1058++1108--1204--1107+
cM2 M1c eMc
+1006--1005++1055+

 5両編成の運転が開始されると,1050形どうし2両で増結車が組まれて1100形・1150形3両編成の新開地寄りに連結されることも多かった。 5両編成初期の頃は1050形2両の組合せはさまざまで,偶数車どうしで増結側2連に組まれて基本編成の先頭車もあわせると3両連続で新開地向き先頭車が並ぶという 気動車のような編成もしばしば見られた。

編成例 cMe cMe cM T Mc
+1056++1052++1110--1205--1109+
cme eMc cM T Mc
+1062++1051++1112--1206--1111+

 さらに,連解運用が4両編成から5両編成になるにつれて,1070形と増結用2連を組むようになった。

編成例 cMe cMc cM T Mc
+1058++1074**1126--1213--1125+

 1986年から,1050形奇数車および一部の1070形のパンタグラフとコンプレッサが撤去され,1050形偶数車と2両固定編成となり, 5両編成の増結車として,あるいは1000形なども含めた2両編成と連結して4両編成として使用されるようになった。

編成例 cMe eMc cM T Mc
+1054--1053+ +1102--1201--1101+
cMe cMc cM T Mc
+1062--1072**1126--1213--1125+
cM2 M1c cMe cMc
+1002--1001++1060--1071*

 さらに,1053〜1057の奇数車の運転台側が電気連結器付の連解仕様に改造されて5両連解運用にも就くようになった。

編成例 cMe eMc cM T Mc
+1054--1053**1118--1209--1117+

 1995年から1997年にかけて,1050形どうしで2両編成を組んでいた1051〜1058が廃車となった。

 2005年1月に+1060+1071*が編成を解かれ,それぞれ別々に4連固定化された1100形と連結して5連が組成されることになり,1060は1116×4連と5両編成化。

cMe cM T Mo Mc
+1060++1116--1208--1125--1115+(1060はパンタ下げで走行)

 しかし,2007年5月に1060は1116Fとの編成を解かれて運用離脱,2008年4月に廃車となった。

 さらに2009年3月ダイヤ改正で5連運用が消滅したため,稼動していた1050形全車が運用を離脱し,2009年4月に1064が除籍,翌2010年4月に1062も除籍され, 同月中に見津車庫にて解体,1050形は形式消滅となった。

1050形車歴表 (←新開地−−−−−−有馬・三田・粟生→)
赤字でアンダーラインの車番の部分をクリックすると各車両履歴のページを表示します。
cMe(偶)eMc(奇)竣工塗装裾ライン 固定編成化塗装変更廃車備考
+1051+1968年9月------- 1987年 2月1988年2月1995年9月
+ 1052 +1969年1月-------
+1053+1969年12月1982年8月 1987年 3月1989年8月1997年2月連解仕様改造
+ 1054 +1969年12月1982年6月
+1055+1972年11月------- 1986年10月1989年7月1997年7月連解仕様改造
+ 1056 +1969年12月1982年 6月
+1057+1973年3月------- 1986年10月1988年7月1996年6月連解仕様改造
+1058+1973年5月-------
+1060+1974年5月------- 1986年10月1987年10月2008年4月1071と固定編成化
+1062+1974年5月1983年5月 1986年12月1987年9月2010年4月1072と固定編成化
+1064+1974年5月------- 1987年3月1987年10月2009年4月1073と固定編成化
記号
* : 連解仕様(電気連結器付密着連結器)
+ : 密着自動連結器
- : 密着自動連結器または半永久連結器
固定編成化:1050形奇数車または1071形のパンタグラフ・コンプレッサなどを撤去
パンタグラフ等を撤去されて偶数車と固定編成化された奇数車1057号車 パンタグラフ等を撤去されて
偶数車と固定編成化された奇数車1057号車
1070形と増結2連を組んで,5両編成の先頭にたっていた頃の1060 1070形と増結2連を組んで,
5両編成の先頭にたっていた頃の1060号車
1999/07/31新設,2010/05/23最終更新

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