英国 保存鉄道の旅 1998年7月
英国 保存鉄道の旅 その3
第7日 7月17日(金)
- 外開き扉の普通電車
-
- 今日はYORKを経てロンドンに戻る。
- まずはKEIGHLEYまで戻る。
できればまたSLに乗っていきたいところだが,SL鉄道の一番列車は昼近くまでない。
YORKでは鉄道博物館にも行くため時間がたっぷりほしいので,SLは断念し,バスでKEIGHLEYに向かう。
- 土砂降りの中,バスもずいぶん遅れており,びしょ濡れになりながら待つ。
ようやくKEIGHLEYに着くが,今度は運休する列車もあり,またまたずいぶん待たされてようやくLEEDSへ。
この電車,日本では見られないずいぶん変わったタイプだ。
客室はコンパートメントではないオープンスタイルの中にクロスシートが並んでいるが,扉は外開きの戸がたくさん並んでおり,しかも手動。
出発時には多くの場合は乗客が自主的にバタンと戸を閉める。今の日本では考えられないスタイルだ。
- ヨークへ
-
- LEEDSからは2扉の近郊型気動車。シートもなかなかいいクロスシート。特急に近い雰囲気だ。車内販売もある。
- 快調に飛ばして,YORKに到着。ここも5年ぶりだ。バスの遅れと列車の運休で予定よりずいぶん遅れて昼少し前になってしまった。
- まずはYORKの代表的なスポットであるYORK MINSTER(教会)へ。ちょうどミサの時間だったため中には入れなかった。
この時間はここに限らずYORKの教会はどこもミサだったようだ。
- この後,城壁を歩き・・・
- NATIONAL RAILWAY MUSEUM
-
- 英国保存鉄道の旅としての最後の締めくくりは,鉄道ファンがYORKに来れば行かずにはいられないNATIONAL RAILWAY MUSEUM(鉄道博物館)に。
- YORK駅の裏手にあるふたつの巨大なホールに,
たくさんの静態保存車両と,鉄道全般に関するさまざまな解説パネルあるいはビデオが鉄道発祥時から最近ではユーロトンネルに関するものまで展示されている。
保存車両は数十両あり,屋内であるため状態は非常によい。
また,展示ホールの外には大きなテントがあり,この中で新たに保存車両の修復作業が行われていた。
屋外にもこれから修復行うのであろうか,たくさんの古い車両が置かれていた。
たいへん広いところにたくさんのものがあり,たっぷり時間がほしいところである。
-
-
-
- そしてLONDONへ
-
- 写真は鉄道博物館にて(ICの写真がなくて・・・→
- YORKからは,IC(INTER CITY)に乗って,最後の訪問地LONDONへ。スコットランドからのIC(Scottish Pullman) は満席に近かったが,なんとか席を確保。
- ICは200km/h 以上で走る高速鉄道だが一般の鉄道とは軌間も同じであり,日本の新幹線ように完全な別線ではない。
今回乗った区間では複々線の中2線を走行していたが,駅などではローカル列車と同じ線も使用している。
- 英国の鉄道も民営化されたが,日本とは異なる上下分離方式で,地上設備を保有する会社の線路上を複数の運行会社が列車を運行するような経営形態になっている。
今回の旅の中では,ICでは運行会社によって(実質的には路線によって?)車両の塗装が異なっているくらいであったが,
ローカル列車では車両の違いはあまり感じず,携帯用時刻表が各社別になっていて,
同じ区間を走っていても会社が異なると別の会社の時刻表には掲載されていないこともあって不便を感じた。
しかし,短期間の利用ではメリット・デメリットがよくわからなかった。
- 約2時間でLONDON Kings Cross駅に到着。貧乏旅行最後の夜はやはりYHである。
第8日 7月18日(土)
- 最終日 まずはバッキンガム宮殿
-
- 英国の旅もいよいよ最終日。シンガポールへのフライトは夜出発なので,それまで1日ロンドン観光。
- 今回の旅では,英国に着いたとき,LONDONではそのまま飛行機を乗り継いだため,街に行くのはこれが最初で最後である。
- 前夜飲んだ缶ビールがきついものだったので,二日酔い気味でしんどく,出遅れてしまう。
しかし,なんとかバッキンガム宮殿の衛兵交代式にはなんとか間に合う。
5年前に来たときにも見たが,冬で衛兵が地味なコートを着ていて少々期待はずれだったので,真っ赤な制服を着た衛兵をぜひ見たかった。
土曜日ということもあってかすごい人。
端のほうからなんとか見られるといった感じだったが,やはり衛兵は真っ赤な制服がいい。
-
- 交代式が終わった後,宮殿の前の公園をうろうろしていると,王族?が乗った馬車が宮殿から現れた。馬車に乗ってお出かけのようだ。
宮殿の周りでも馬に乗ったPoliceがいて,タイムスリップしたような感じだ。伝統を保ちつづけている感じがしていい。
- 2階建て赤バスに乗って・・・
-
- "LODNON"にいることを実感するもののひとつがあの2階建て赤バス。
ほかに,2階部分がオープンになったロンドン市内観光バスも走っていて,各国語でのガイドがあるようだ。
我々は地下鉄・バス1日券を買ったので,路線バスの2階の一番前に陣取って市内めぐり。
2階からの眺めは,歩いたり普通のバスに乗っているよりも当たり前だが視点がかなり高く,ずいぶん感じが違う。
- 一番前から見ていると,歩行者は信号のないところやら赤信号でも平気で道路を横切っているが,
バスもすぐ前を人が横切ろうがあまり速度を落とさずに走っていく。
人が信号無視するのは勝手だが,何かあっても責任は自分が取れよということが前提になっているのだろう。
なんでもかんでも車が責任を取らされる日本とはえらい違いだ。
この場面だけでなく,基本的にヨーロッパでは自分の行動は自分でとるという,実に当たり前のことが前提となっていることを実感する。
どこかのように,自分の不注意を棚に上げて,なんでもかんでも人(特に管理者)に責任を取らせる,
しかも,本当の原因を探らずに責任を取らせることばかりに重点をおくどこかの国とはえらい違いだ。
- Docklands Light Railway
-
- 近くまで行ったので新交通Docklands Light Railwayに試乗。
ロンドンタワーブリッジの東側を走っており,以前の港の中心だったドックランドの再開発地区とを結んでいる。一部は地下である。
新交通といっても日本のゴムタイヤ方式とは違い,普通のレールの上を走る。
2扉の短い車体で2両固定×2編成の4両編成。
自動運転で運転士は乗っておらず,車掌だけがいずれかの扉の近くに乗っていて扉の開閉をしている。
- UNDER GROUND
-
- もちろん地下鉄UNDER GROUNDにも乗る。
- ロンドンの地下鉄は実に複雑な路線である。日本でも東京の地下鉄の路線は複雑だが,運行形態は各線ごとに独立している。
しかし,ロンドンの場合は路線が複雑であるだけでなく各線があちこちでつながっており,いろいろな路線の電車が入り乱れて運行されている。
平面での分岐もいたるところにあり,どこかでダイヤが乱れると即座に各線に波及していく。
車両もぱっと見た目にはほとんど同じようなものばかりで乗り間違えに要注意。
車両はチューブのように屋根の丸い車両で,地下鉄ながらクロスシートもある。
顔はのっぺりとした無表情なパッとしない車両ばかりだったが,最近の新型車はなかなかカッコイイ。
- そうこうしているうちに,英国を去る時間が近づいてきた。
ヒースロー空港までは,ごく最近,ターミナル直下までの新しいアクセス鉄道Heathrow expressができ,そちらのほうが速いのだが(値段も高いようだが),
UNDER GROUNDでも時間がかかるがターミナルまで行ける。
朝買った地下鉄バス一日券も使えるので,今回はUNDER GROUNDで。
その前に,英国を去る前にもう一度ロンドンの賑やかなパブでビールを!
- 空港に着いたのは20時頃。
フライトの出発は22:15で,すでに2時間前。カウンターには長蛇の列。
いつものように窓側席をリクエストするが願いかなわず。しかも,通路よりさらに内側の席。
LONDON の街の明かりを見ながら英国とさよならできない。あーあ,残念。
- フライトは大きな揺れもなく順調。機材はB747-400で,もちろんエコノミーにも全座席に液晶テレビが設置されている。
またまたずいぶん長い間,テレビゲームと映画タイタニックを楽しんでしまった。
第9日 7月19日(日)〜第10日 7月20日(月・海の日)
- シンガポール乗り継ぎ
-
- フライト時間は約12時間だが,時差でシンガポールに着いたのはもう夕方。天気も悪く,すでに薄暗い。
英国ではこの時間ではまだまだ昼間のような明るさだったのに・・・
- 次のフライトまで6時間以上あるが,FREE TOURは往路で参加したので今回は空港の中でぶらぶらしたり仮眠して過ごす。
往路での乗り継ぎ時には気がつかなかったが,Terminal-2 のトランジットエリア内にも新たにゲームセンターと展望デッキができていた。
昨年秋にはなかったからこの半年の間に作られたようだ。
ますます乗り継ぎ時間つぶしの設備が充実していく。ハブ空港としての見本だ。
- そして,いよいよ最後のフライト。SQ986 は,日付が変わってしばらくしてから Take off。
- このフライトは前線の影響でずいぶん揺れた。
半分以上の時間でシートベルトサインが点灯したまま。
特に台湾上空あたりであろうか,朝食のサービスが始まってまもなくの頃,強烈な揺れが続き,通路に出ていたミール用のカートがあわや倒れそうに。
CAさんも食事の載ったトレーを持ちながら必死でカートを支えていた。いやいや,大変だ。
- そうこうしているうちに関空にアプローチ,RUNWAY 06にストレートインで無事着陸。帰ってきてしまった。
- 今回は英国のいくつかの保存鉄道に乗ることができてよかった。
- 以前に行ったスイスでもそうだったが,主に一般の鉄道で働いている人たちがボランティアで保存鉄道を運営しているということ自体が素晴らしい。
規制ばかりの日本では到底不可能なことではないだろうか?
また,それは,自分の身は自分で守るという意識があるかないかの国民性の違いがその根底にあるのだと思う。
- とにかく,蒸し暑い日本に帰ってきてしまった。次はどこに行こうかな・・・
英国の旅 TOPへ
その1
その2
その3
英国 保存鉄道の旅
海外の鉄道
神戸鉄道資料館